大判例

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東京高等裁判所 昭和44年(う)2597号 判決

被告人 北山破魔吾

〔抄 録〕

論旨第一点について。

所論のごとく原判示第一の事実は「被告人北山、同大野両名は外一名と共謀のうえ、昭和四〇年九月一九日午後六時ごろ横浜市西区中央二丁目二三番地五号附近路上において鈴木清一に対し……こもごも同人の顔面等を手拳で殴打したり足蹴りにする等の暴行を加え、よつて同人に対し約一七日間の安静を要する頭部打撲症等の傷害を負わせた。」との公訴事実に対し「被告人北山、同大野は、中川某と共同して昭和四〇年六月二四日ごろの午後六時ごろ横浜市西区中央二丁目二三番地五号附近路上において鈴木清一に対し……こもごも手拳で同人の頭部、顔面等を殴打し、同人の腰部等を足蹴りにする等し、もつて数人共同して暴行をした。」と認定したことは、原記録に徴し明かである。

所論は、右のごとく約三ケ月も日時の異る犯罪事実を認定するに当り何ら訴因の変更を命じなかつたのは、刑事訴訟法第三一二条第二項に違反し違法であると主張するけれども、原審は原判決理由中の一の項(判決書一三枚裏二行目以下)で説示するように共謀による傷害の訴因につき傷害の点は証明がないとしてその傷害の事実に包含される縮少された共同暴行の事実を認定したのであつたが、両者は犯行日が約三ケ月異なるほかは、共犯者、被害者、犯行時刻、犯行場所、犯行の手段、態様はすべて同一であるので犯行日だけを右のように公訴事実と異るものと認定したとしても、犯行の日時の如きは犯罪の法律的構成に影響のない事実であり、また被告人の原審第一四回公判期日における供述記載によれば原判示願成寺の縁日で鈴木清一に対し乱暴をしたことは日時の点は兎も角一回限りしかないことが明白であるから、右両事実の間に同一性の存することは勿論であり、また本件審理の経過に徴してみても、一審判決の右認定が被告人の防禦に実質的な不利益を与えるものとも解しえないから、原審が所論訴因変更の手続をとらなかつたとしても必ずしも違法とは解しえないのである。

(江碕 竜岡 藤野)

註 本件は他の理由で破棄

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